思考随筆

「死にたい」  その文章が長方形の画面から現れた時、安堵とした。   それは、仲間意識ではない。道連れに出来ると考えていた訳でもない。  声があったから。  私の暗黒期の時、暗い部屋の隅で倒れるように沈黙していた。床を爪で引っ掻くぐらいには、倒れ込んでいた。  しかし、彼らには声があった。毒に埋もれながらも、尽きたくなっても、私に声を上げた。  それが私にとっては、安心できることだった。もちろん、彼らは危険な状況にあるが、声がない人たちも多くいる。  声が出せないぐらいに、今も毒に埋もれているかもしれない。

男は小刀を取り出した。名前の分からない魚の腹に先を滑らせる。ただ腹を満たすだけに食べる夕飯ほど億劫なことはない。男は気を紛らわそうとこれまでに捌いた魚の数を数え始めた。 つい数週間前、彼は小さな船に乗って友人と釣りをしていた。釣りが唯一の趣味であった為に沖から遠く離れたところまで船で来ることはよくあることだ。それ故に男は油断していたのだろうか。突如現れた雨雲は今期最大の嵐を起こした。荒波が彼らの乗っていた船を何度も裏返した。 気づいたら男は無人島に漂流していた。 あれからどれくらい日が昇ったのだろうか。血に染まって錆びついてきた小刀。男はやせ細った腕で器用に魚の肝や胃袋やらを引っ張り出す。まだ自分が生きているかどうかも自信が持てない彼はそんなことに興味はない。小枝に刺した魚を焚き木に当てる。わずかに聞こえる魚の焼けるぱちぱちという音。少しは私の気を紛らわしてくれるだろうか。 見上げると真っ赤な夕日が水平線の向こうへと沈んでいる。夕日に自分を重ねてしまう。さみしいのだろうか。男は残りわずかな人生を振り返り始める。会社で奴隷のように働き少しの余暇で趣味の釣りをする生活。繰り返す日々に反発するように始めた自炊はもうやめた。そんな足掻きなどなかったことにした。それでいて、忙しいはずなのにきれいに片付いた部屋。唯一散らかっている台所。半日かかる洗濯。満足していた。これでいいと思っていた。 僅かに水平線が揺れる。 彼には日頃話をする相手すらいない。同僚など結局は上司と変わらない関係性であると最近気づいた。それでも幸せだと思っていた。 暫く男は考え事をしていた。結論は出なかった。 ふと向こうから小さな流木が流れてくるのを見つける。立ち上がる。男はなんとなくその流木に手を差し伸べる。 唯一の友人を亡くした(であろう)今となっては私の消息を気にするものなどいない。 そう考えている。そう信じている。 男は小刀を取り出し、ジャンバーの裾を切り取る。高価なビニル製のジャンバーであったが容易に切ることができる。 それでも彼は、気まぐれのように、流木を手に取る。先に切り取った裾を括り付ける。どこから来たのだろう。どこへゆくのだろう。彼はその流木をそっと海へ還した。 夕日が沈む迄の間、男は行く宛のないそれをずっと、ただ眺めていた。

自画自賛。自己卑下。

私は目を瞑り1人の少女を見つめている。 少女は現実を放棄し、悲しみに暮れ、汚れた心を隠しながら生き延びていた。 私はそんな少女を時に憂い、共感し、嘲笑する。 少女のことは私が1番好きだ。でも1番嫌い。 少女を1番理解しているのも私だ。 私と少女の関係は俗に言う愛などよりも、もっと深いのかもしれない。 彼女の間違いを訂正するために、本心では無い正論を放つ。 あなたは悪くないと言い聞かせる。 また今日も少女は傷を見て悩み 汚れた心を洗うように泣きわめく夜を過ごしていた。 そしてこの世界から消えてしまいたいと強く願う。 少女を好きで嫌いでたまらない私は願いを叶えるために 少女を地獄から救うために 吊り下がったロープに私の首を通した。

のーくん、やーくん、うずら。みんな元気にやっていますか。もうすぐ、あなたたちの月命日だよ…

のーくんと私が出会ったのは私が小学校4年生で最初モコモコとしたうさぎが入ってると知らなくて、びっくりした。でもとても大人しくて可愛くて、私はのーくんは私のお兄ちゃん!!と言っていた。だけど、突然父親が暗い表情で話す。 のらこ、もうダメかもしれない。う、そでしょ… 私は泣いて、泣いた。のーくんは、当時人間で言ったら72歳と言われていて、それでものらこが いるのが当たり前で…でもその日はもう来てしまった。去年の夏お母さんに朝早く泣きながら2階に上がってきてお母さんが私を落ち着かせるために落ち着きながら話してくれた。まー。きいて 驚かないでのらこ死んじゃったよ。え?? うそ、だよね!??私はその場に座り込んでないた。のらこ!!目を開けて!!と泣き叫んだ。 のらこの亡骸はとても冷たかった。11年7ヶ月。 のらこと歩んだ奇跡。のらこが亡き後 少しして、のらこの弟ができた。そのうさぎの名前はやかん。やーくんはThe・漢という顔をしていて、のらこと違い性格もキツかった。そのため 私とはケンカが絶えず悲しませることもあった。 けれど、やーくんは突然発作を起こし亡くなった。私はやかんの亡骸を見ることが出来ず 部屋で思いっきり泣いた。やーくん、どうして、 まだ話したいこと、いっぱいあった、もっと一緒にいたかった…と泣いていた。7年7ヶ月。 やーくんの命日はのーくんと1日違い。けれど、 のーくんとやーくんは私に大切なことをたくさん、たくさん教えてくれた。高校を卒業して 卒業証書を持っていった時嬉しそうに目を細めていて、私はほんとに本当にこの子達がいてくれてよかったと思った。うずらは飼って、2〜4日でこの世を去った。けれど、、、今も青い空に 向かって手を伸ばしている。今年は、のーくんたちが3日間家に帰ってくる。その時はのらこ、 私ね大事な人がいるんだ。って伝えたい。 どんな動物にも別れがあっていつか、空たちもこの世をさってしまう。そう思うと胸が痛い。 でも空が私にくれたものは数え切れないほどある。あれだけ人が大嫌いで人混みに入るのもやっとだった18の私は、もういない。空が教えてくれた。きっと、空がいなかったらグレていた。 今の彼氏さんにもまーが辛い時はいつでも 話してほしい。彼には、うつ病と左耳が 聞こえないというハンデがある。私には 普通の人よりもIQが低い、知的障害 (アスペルガー症候群)自閉症 双極性障害 パニック障害、ストレス障害 左手にばね指、右手が関節症 リウマチ(両方)あると言われた。たまに のーくんとやーくんがお花畑を自由に駆け回り、 天国にいる仲間たちと楽しくはしゃいでいる夢を見る。じいちゃんもばあちゃんたちもみんなで にこにことしている。たまに、のーくんとやーくんに話しかける。…たまにのーくんの写真や 絵を描くと涙がほろりと出てしまう。のらこ、やかん、うず…私はやっぱり弱いね、あんたらに 会いたくなってしまう。でもきっと、のらこ達はそばにいるってしんじてみたい。よく、夜空の星にね小さな星が出ている時はのらこがてらして、 やーくんはそれをみてんのかなぁ?笑って 思ってるんだ。のらこ、やかん、そして 排水管で亡くなった子猫ちゃん達に私の 想いがいつかとどいてほしい。あの時保護していたらあんなに悔しくて悲しい想いなんて しなくて済んだかな。今も後悔してる あの日、助けたらあの子達は今楽しく暮らしていたかなとか、もっと遊んであげたかった。 大人になった今も忘れられない。あの子たちの 顔が今もよみがえる。ペットショップにいる 猫を見るとあの子たちが頭によぎり、泣きそうになる。わんわん!!にゃーにゃーと泣いている声が今も、苦しくて。あの日助けてあげていたら と後悔はいつもついていて、なんであの子たちを救えなかったんだよ!!!と自分を恨んでしまう。だからこそ、虐待や飼育放棄、多頭飼育崩壊はしてほしくない。空達は元の飼い主が5匹も世話できねぇよ!!じゃあ山に捨てに行こうとなって、空たちをぽんっと捨てただろうと思う。 父親も、自分で飼った犬を山に捨てた。自慢げに話してるけど、今その犬たちから呪いかかるし、 人の悪いことばかりしてるからあんたらにも 呪いというなの悪魔がくるよ。話変わるけど、 ばあちゃんの兄弟のお嫁さんと兄弟は肺がんになったらしいばあちゃんは言ってた。うちのしんを あんなことして、おふくろをいじめたから因果応報だよ。まー、動物やな、人をいじめたりすると 必ずそれ相応の報いはきてな、いい死に方はできねぇだからな。ばあちゃんはそう言うとしんちゃんやシャワーくんのことを思ったのか暗くなった。私は、空をそして、、、この世に未練を残し天国に行った空の友達やのらこたちに会った時 たくさん、思い出話持っていくから待っててね 大好きだよ。待っててね。

ドリンクバー

「ドリンクバーで烏龍茶飲む人ってほんとに嫌い」  彼女は吐き捨てるように言う。 「烏龍茶だって立派なドリンクだよ」  我ながら頼りない声で答え、メロンソーダをひとくち飲んだ。 「じゃあどうしてこんなに腹が立つの?ドリンクバーを頼んで烏龍茶を飲む人を見ると」  彼女は真剣に怒っているようだった。 「麦茶派だからじゃない?」 「私は緑茶派よ」  彼女はアイロンで器用に巻かれた髪を執拗にかきあげる。僕には関係ない話なのだが、なんとなく申し訳なさそうに僕はメロンソーダを飲む。  僕らは昼時を過ぎて、客もまばらになったファミレスで向かい合って座っていた。側から見れば、ガールフレンドの機嫌を損ねた彼氏が平謝りしているように見えるかもしれない。しかし、実際僕らは恋人同士ではないし、彼女が怒っている原因は僕ではない。  彼女が怒るというのは実は珍しいことだった。一般的には腹を立ててもおかしくないような事態に見舞われても不自然なほど怒らないのが彼女だった。  ドリンクバーで烏龍茶を飲むことがそんな彼女を怒らせていることは激しく僕を混乱させた。僕は勝手に、彼女が怒るのは誰もが納得できるような理不尽な事態が起こったときだけだと思い込んでいたのだ。これは本当に勝手な考えだった。僕は、彼女がみんなが怒るタイミングであまり怒らないという一面だけを見て、すべてをわかった気になっていたのだ。  しかし僕は混乱するとともに、喜びも感じていた。僕はどちらかというと、「なんでも許せる人」より「許せないことがある人」の方が好きだった。後者の方がなにか誠実さのようなものを感じるのだ。  彼女はホットコーヒーを注いだカップに氷を三つ入れて小さなスプーンでかき混ぜていた。息をのむほど上品な手つきだった。その様子を見ていると、ホットコーヒーには氷を入れて飲むのが当たり前のことのように思えてきた。 「彼女はどうなったの?あの金髪ボブの」 「ユリね。来年から国家公務員だってさ」  いつもの優しい笑顔に彼女は戻っていた。 「それはよかった」 「面接は金髪のまま受けたのかな」 「まさか。ピンクよ」 「さすがにね」  友人のユリの話になるとすぐに調子を取り戻すのも彼女の特徴だった。彼女はユリのことを心底尊敬しているようだった。その気持ちは僕もよく理解できた。ユリと僕は一度、彼女を含めた3人でカフェでお茶をした程度だが、自然と僕もユリに好感を持った。僕がユリの、派手ではあるがまったく攻撃的ではない金髪の色を褒めると、「この世に存在するすべての色に染めたいの」とユリは言った。彼女が、「もうユリの髪色でほとんどの色は見せてもらった気がするけど」と言うと、「まだ1%にも達してないわ」と答えていた。 「あなた、ユリと付き合う気はないの?お似合いよ」 「ないね。僕には半年前の彼女の金髪と先月の彼女の金髪の色の違いを見分けることができないし」 「そんなことあの子は気にしないわよ」 「僕が気にするんだ」 「ふうん」  時間帯はもう夕方に差し掛かっており、容赦ない西日がファミレスの窓から差し込んでいた。それは彼女のコーヒーに入った氷を早く溶かしてしまおうと言わんばかりに強く照らしていた。 「ところで、ユリさんはドリンクバーで何を飲むんだろう」 「烏龍茶よ」  彼女はとても美しく笑って言った。

黒い額縁の中で微笑むあなたへ

がたんがたん、がたんがたん、がたんがたん。 同じ間隔で揺れる身体、向かい側の窓から見える夕陽、それを反射する海。 「お嬢さん、ひとりなの?」 私の斜め向かい側に座るシルエットから優しく声をかけられる、顔は見えない、逆光によって遮られてるからだ。 家に帰りたくないの、と私の唇が震える。どうして、と返ってきて、遂に私の視界が歪んでくる。 「褒めてくれたから、頑張ってこれたのに。褒めてくれる人がもう居ない、から、」 ぎゅうっと膝に置いた手に力が入る、握ったスカートがしわくちゃになった。それを叱る言葉も、泣いていたら慰めてくれる手も、もうない。 すると彼女は溜息をついて、立ち上がる。びゅうっ、入り込んだ風が強くて咄嗟に目を閉じて手の甲で遮った。 「早く帰りなさい」 その優しい、声は。 *** 「ーーおい、頼む、起きてくれ…っ」 必死に揺さぶられて、重い頭が意識を拾い出す。思考が動き出す頃には目の前に黒い服を来た父親の顔、…泣いていた。 どうやら葬式の最中に家を飛び出して、歩いていたら写真を落としそうになって、それを取ろうとして、土手から川へと転がり落ちたらしい。寒い、寒くて服も重たい。 「…お母さん」 夢の中まで、泣いてごめんね。 握り締めていた写真を抱き締めて、小さく呟いた。

すり傷

 今朝目が覚めて鏡を見るとおでこに一本のすり傷ができてた。痛みもないし、血が出た痕跡もない。ついでに身に覚えもなければ財布の中の一万円もない。  今朝のあたしに残ったのは、すり傷と二日酔いだけだった。 (こんな目立つところに傷がつくなんて)  あたしは誰もいない部屋なのにわざと舌打ちをした。いま思うと、それは自分から苛立ちを誘うだけの仕草に過ぎなかった。  誰もいない部屋で音を立てながらカップ麺を作り、誰もいない部屋で音を立てながらシャワーを浴びる。  本当は今日支払うつもりだった自動車税だけど、現金が足りないからあたしはその気も失せてしまって、年甲斐もなく一昨日スーパーで万引きしたジャックダニエルの栓を開けた。  迎え酒から一時間ほど経った頃にあたしは押し入れに仕舞っていたノートを引っ張り出して、埃被ったペン立てから青いインクが入った〇・四ミリのサラサを引き抜き、誰も読むことのない掌編小説を書き始めた。  いまでもそうだけど、何故かあたしはストレスが溜まると文字を書きたがるクセがある。久しく握っていなかったサラサの感触に後戯の時みたいな快感を覚えながら、酔った頭のあたしが記した書き出しはこうだ。  ――もしも仮想現実であるなら、  続きなんてなにも考えていなかったけど、ひとたび書いてしまえば不思議とつらつら筆が乗っていくのは、酔った時にだけ与えられる時間制限付きの"ギフト"だ。  おでこにすり傷ができたってそれだけの理由なのに、長いことやってなかった習慣が蘇ってしまったのは、そもそもメンタルがやられていたからじゃないかと思う。  小説はだいたいこんな具合に仕上がった。  愛犬を亡くした男が恋人に悲しみをぶつけるけど、彼女は教科書通りの慰めをするだけで、それがどうにも気に食わず衝動的に平手打ちをかまし、逆に彼女にウイスキーボトルで頭を殴られてしまい、愛犬と恋人と両方を失った男が「仮想現実であるなら」と締め括る。  我ながら生産性のない話だと呆れる。けど酔っ払いの勢いは止まらない。手書きの小説をスマホに書き起こして推敲を始める。 (こんなものだな)  再びサラサを握った酔っ払いは、推敲した文章をまた手書きする。  こうして完成した誰も読むことのない掌編小説がまたひとつ増えた。  全部が終わった頃にはとっぷり日が暮れていて、三分の一が無くなったジャックダニエルの瓶からまた一杯のハイボールを作り、あたしは明日こそ自動車税を払うと心に決めた。  こんな自分が滑稽にも哀れにも愚かにも感じてきて、いきなり鼻に込み上げてくるものがあって、五分だけ静かに泣いていた。  当時のあたしは本当にメンタルがやられていたんだと思う。  だって、きっかけはおでこにすり傷ができたという、あまりにも些細なことだったのだから。

これからの季節は

歌がうまいといったら やっぱり、春うさぎなの でも、春うさぎの歌がきけるのは 春っぽい時期だけのことなの 決まりきったことなのだけど やっぱり、ききたくなってしまうの それを無理やり歌わせたりなんかすると 悲しそうに泣いてしまったり ごはんを食べなくなってしまったり どこか遠くの知らないとこに行ってしまったり だから、これからの季節は ケロケロにおまかせするのがいいの え? ホタル? あれは、光るばっかりで まったく歌ってくれなくって こっちが歌うはめになってしまうから いまいち具合がよくないの

ただただ、おなかが痛い

朝は ごめんね と ねこに言うも ねこは 聞こえないふりで 知らんぷり

葉桜

葉桜 も 葉隠 も ごっちゃに 頭に入れていた 中学生だった まったく 恥ずかしい 中学生だ ろくでもない 中学生だ わたしの ことだ 一年生 夏 二日 続けて 鼻血を出す 冬服なら よかったのだけど 夏服の時期 白いワイシャツが 血で どろどろに なった ほんと 恥ずかしい 中学生だ 恥ずかしい 中学生が 遠くの 高校に 行くように なった 遠くの 高校に 行くように なったからといって それだけで 幸せに なれるわけではない 恥ずかしい 過去をもつ 中学生が 高校生になって 遠くの学校に 行くようになった ただ それだけのこと その高校には 桜の木が 植わってなくて 葉桜を 意識することなく 高校生活を 送ることが できたのは せめてもの 救いだった

死ぬ勇気 あれば あっさり いけるのにね ないばっかりに つらい思いを 続けないと いけないんだね 地獄だね

地獄に生きている 地獄の中で生きている 糸なんて ぷっつり 切れてしまえばいい 落ちた先も そこは 地獄さ

幸せなときなんて なかったね これからも ないんだろうね きっと

はやく 人を やめたい はやく 人であることを やめにしたい そんなことを 思った 朝 だった

そろそろ もとに もどりますか? もどるんですか? もどらないんですか? もどるにしろ このまま 進むにしろ メンドー くさい ですね

こんな 気持ち でも でかけて いかないと いけない なんて 苦痛 でしか ないですね この世は 苦痛 でしか ないですね はやく 死んじゃいたく なりますね あー はやく 死なないかなー

起きたら わたしの まわりの あらゆる ものが 破壊 されて いるのは どういう こと なのか しるかっ

しるかっ

おまえの 吸いたい 気持ちなんか しるかっ

出ていけ

たばこ は この 世界 から 出ていけ 吸ってる のも この 世界 から 出ていけ

そばに刃物がなくてよかった

刺して しまいそうに なるじゃないか ははははは

感覚が 壊れた ふつうで いられるわけ ないだろ

何日ぶりかで 叫んだ 見えない 害悪に向かって 叫んだ たばこの けむりに向かって 叫んだ ただ こっちの 感覚が 破壊された だけだった ただ こっちの ココロが 壊された だけだった

たばこ この世から 消えてなくなれ 吸ってるヤツも 消えてなくなれ

お前に娘はやらん!

 現代の結婚とは、個人と個人の儀式だ。  しかし、家と家とつながりを求めていた歴史から、結婚時に互いの両親へ挨拶する風習は残っている。    ぼくは今日、挨拶に来たのだ。   「お義父さん、お嬢さんをぼきゅにください!」    噛んだ。  しかし及第点だ。  九割は言えた。   「お前に娘はやらん!」    お義父さんの答えは、反対だった。  まあ、そうだろう。  筋肉ムキムキなお義父さんから見れば、ぼくみたいなヒョロヒョロとした人間なんて、頼りなさそうに見えてしまうだろう。  しかし、それでもぼくは、彼女を守りたいという強い心がある。    ぼくは、土下座の構えをする。   「え? 親の許可制じゃったっけ? ほならわし、君に娘との結婚を許可した覚えないんじゃけど」   「え?」    が、弾はお義父さんのお義父さんという、とんでもない角度から飛んできた。   「そうよね。確か娘が貴方を連れてきて、『私、この人と結婚するから!』で終わったはずよね」   「え?」    お義父さんのお義母さんからも援護射撃が来た。   「いや、あの、その」    お義父さんは完全にしどろもどろになっていた。  もしかしたら、お義父さんもぼくと同じく、娘の婿に会うためのキャラ作りをしていたのかもしれない。  さっきまでの威厳溢れる表情は、完全に消えてしまった。  萎んだ風船のようだ。   「で、パパ? どうするの? 私の結婚、許してくれないってこと? そうなら、この家出ていってね」    三発目。  ぼくの嫁。  強い。   「な、なんでパパが出ていかなくちゃならないんだ!? ここはパパの」   「だってパパ、私の幸せのためなら何でもするって言ってるじゃない。パパが家にいると結婚できないんなら、パパが家からいなくなることが私の幸せじゃない」   「ぐぬぬ」    気合を入れてきたはずのぼくは、完全に傍観者になっていた。  どんどん萎んでいくお義父さんを、気の毒そうに眺めていた。    そして最後に動いたのが、お義母さんだ。   「離婚届あるけど、どうします?」    すっと、緑の紙をお義父さんに差し出した。  四方八方、味方なし。  助かるたった一つの糸口は、ぼくだ。    お義父さんはぼくの方を見て、頭を下げた。   「娘を、よろしくお願いしまあああああああああす!!」    かくして、ぼくの結婚は無事に許された。           「君も、同じ苦労をするんだろうなぁ」    帰り際。  お義父さんに言われた一言が忘れられない。  にこにこ笑顔の彼女を見て、ぼくは覚悟を決めたのだ。

賑やかな旅行客

 5月だというのに、今日は真夏日。もうすっかり夏本番だと言いたげな日差しの下で、わたしは着物を着た。旅館の仕事をするときは、どんなに暑くてもこれで無いと。まぁ、真夏はクーラーを効かせるので、しんどいのは今の時期だけだ。  今日うちに泊まるのは、東京の小学6年生たち60人だ。修学旅行らしく、はしゃいで襖を破ったりしないかが少し心配だ。今は大宴会場で集まって、明日の予定の確認なんかをしているらしい。わたしは厨房から冷えた緑茶を取り出すと、お盆に乗せて静々と歩いた。  宴会場は60人も入ったらぎゅうぎゅうなわけで、ムンムンとして暑い。これでも襖と窓は全開なのだから、本当に5月か疑ってしまう。その中でも窓側の子たちは日が当たっていて、みんな机に伏せって溶けてしまいそうだった。 「まじ暑ーい! なんでクーラー効いてないの? 頭おかしいだろ」 「それな! ここオンボロだからワンチャン付いてないんじゃね?」  わたしは無心で彼らにお茶のおかわりを注いでいった。小学生が知ったばかりの言葉を使いたくなるのは常だが、最近の子はネットで悪い言葉を知ってしまうのだから、油断するとマジで腹が立つ。ほんとにこいつらは……いや、なんでもない。    すると、視界の右端に、のそのそと歩く虫が見えた。あの黒い悪魔かとギョッとして振り向くと、なんとカブトムシだった。暑すぎて季節を間違えてしまったのだろうか。立派なツノがテラテラと光る。小学生たちが見つけたら騒ぎ出すこと間違い無しなので、わたしはささっと捕まえようと手を伸ばした。  その途端、1人の男の子が大声を上げた。 「あー! カブトムシだー!」  その途端、彼の声を引き金にしたように、わっと子供達が騒ぎ始めた。 「カブトムシ⁉︎ 見せて見せて!」 「それカブトムシなわけないじゃん。まだ春だよ? はい、論破ー」 「それ誰が言ったの? いつ言ったの? 何時何分、地球が何回回ったとき⁇」 「うるせー、みんな黙れ!」 「俺が飼ってたクワガタはさー、お父さんに買ってもらったんだけどー、夏休みにさー」 「ねえねえ、触らせてってば、ねえ‼︎」 「順番‼︎」  想像通り、想像以上の騒ぎが起こった。ギャイギャイと騒ぐ子供の声で耳がキーンとする。わたしは思わず叫んだ。 「もーう、うるさいっ! 静かにしてっ!」

夜更け早更け

 大腸に隠遁した玩具の代表的な警句はハチスンの著作の引用であるという指摘をするために、両手で叡算を数えるが如く(各指は億の位を表わしている)恭しい道徳感情を抱かざるを得ないのは、架空の天子の実際の遺録を蒐集して一冊の本にまとめるよりも苦痛である。愚意を申し述べ恐縮でございますが、私の誕生日は粉砕されましたので、こんな文章を読んでいないで寝てくださいまし。白馬の王子様が草原に隷属することを決意し、城砦を幼少期からの想い人のように捨てるあの一瞬、双眸に焔が宿る、あの官能的な寝返り。ハチスンの議論を批判的に継承した哲学者たちを横目に、擬似晴天に照らされた公園の滑り台の上で半裸になり蝶々たちと戯れ、裸子植物と針葉樹林の間に張られた蜘蛛の巣に捕まえられた、蝋燭の角、ラスクの目、羊羹の鼻、ゼリーの唇……この文章における比喩が、比喩であることを自覚し惨敗し廃れ散り、霧消し堕落し、厭世と危険思想にかぶれて、私の誕生日に審判を下した。  雑巾の冠は帝威を纏うのだと、この文章における比喩は弁疏するけれども、聞く耳を持たなくて構わない。変態点を探す必要もない。論駁しなくてもいいし、慰撫するなど論外である。裸体でいい……とは言わないけれど、私はもう疲れているのだ、気怠いのだ。どうぞ貶謫したまえという気持ちであるし、だらしない服を着て偏袒右肩してやっても構わない。それくらいの弁知がないと思う勿れ。私の誕生日は粉砕されたのだから(誇示している訳ではない)、貴方の把持している濡れしょぼたれた事案を互市しようじゃないか。漉し餡の饅頭を食べた時に虎威を張った鴎やイソギンチャクが背後にいる気配がして、慄然したかと思えば泰然とし、悠々と甘味に酔いしれて、不意に恋歌が聞こえてきて仕方なく耳を澄ませていたら、その主は、柳暗花明の季節に喇叭を吹きながら快翔する暗号化された感傷主義だと分かり、憤然とし昂然とし、何者かの造意を感じたのは言うまでもない。  溜息を吐くくらいならば、叢雲の彼方にいる貴方たちへサービスでもしようと思うのだけれど、読んでいて愉快になることなど書くことが出来ぬ気分ゆえ、どうぞ帰路に着いてくださいと……愚意を申し述べ恐縮ではございますが、奏聞させて頂きたく存じます。  そういえば双蛾という字を見たとき、蛾とは眉のことであるとは知らず、私を貶める言葉だと勘違いし(ハチスンの著作にもきっと使われていない単語だったと思います)、颪に身を掠われる思いで、敢然と反抗の意を示し、眠れる獅子が覚醒し、暗々裏に塒に闖入し寝首を掻くつもりでしたが、蛾が眉であることを知ると、貴方は何事をも知悉しているのだと見せつけられた気持ちで、猫撫で声で媚びへつらい、猫に鰹節など忘却し、後憂は雲散霧消し、光彩陸離、相対主義……とにかく貴方を尊崇しております。滔天の威勢で立ち向かう姿を望見しているような気分でございますと、愚意を申し述べ恐縮でございますが、凶音がありましたのでオサラバ致しますことを、大変申し訳なく思っております。  強雨が降る日に、私の誕生日は粉砕されてしまい、その破片は、査閲を受けることなく打ち捨てられ、なんて不幸なのだろうと思いはしたけれど(サンチマンタリスムだと罵られた屈辱……そのルサンチマンを扱った書籍を宣伝していたあの人は元気かしら、などと、いま急に頭に浮かびました。文章の途中にごめんなさい)、この心情を代詠してくれる誰かは、煎り豆に花が咲くと言わんばかりに眼前に現れるであろうという、妙な自信もあり、この二律背反している今と未来を、どう調停すればいいのか分からず、困惑を隠しきれないことが情けなく、父の墓に埋骨してほしいなどと叫びたくなる。なんという不孝だろうと思い直してみたけれど、一栄一落の人生と考えれば仕方のないことだと、さらに思い直して、こういう思考の変遷は屡慈あることだと考えられよう。沈思すればこそ。夜更け早更けに。  誕生日に受けとることが出来たかもしれぬメッセージを読むことができぬ身の上であるがゆえに、こうして文章を書いてきましたが(しかし読まれる前提の文章ではありませんし、ここまで目を通してくださった方は、どれくらい、いらっしゃるでしょうか。お一人の姿もありませんか。だとしたら、少々寂しく思います)、どうか身のまわりに誕生日の方がいるのならば、少なからず祝ってあげてほしいと切に思います。年を取れば誕生日なんてと感じがちだけれど、実際は寂しいものだというのを伝えたい。いま、六日の菖蒲という慣用句を思い出した。その意味の仔細はともかく、誕生日の次の日は誕生日ではないということは、確たる事実である。そのことを、忘却なさらぬよう祈るばかり。頓首。

Educator weather better we had a bunch of like a big bum

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「たいむ・すりぷ」の男の事

 これは京極若狭守様にお仕え致しております、私の甥から聞いた話の一つで御座います。若狭守様と言えば、いかなる鳥獣もひれ伏す御威光と、数えきれぬほどの逸話を併せ持ったお方だという事は、今更申し上げるまでもありますまい。  城下に見える桜の中で、一番早く咲き最も遅く散るかの不可思議な桜をお伐りなさりました時の事はもちろん、見るも恥ずかしい鎧を身に纏った剣士と御前試合をお開きになられた事に、太良荘に夜な夜な現れて妙なる笛を吹く市女笠の女と一夜を共にした事に、将又、この國を訪れた得体の知れぬ好色の男から、私どもをお救いになられた事に……それらの逸話を一々数えたてておりましたら、限られた時間を、瞬く間に埋めてしまいかねません。  ともかくも、この度は、私の甥から聞いた、小浜の海に流れ着いた風変わりな男が、若狭守様のご恩情により救われて、臣下の一人となった次第を、お話しさせて頂く事に致しましょう。  その奇怪な一事が起こったのは、まだ残暑が厳しい頃の事で御座います。ある日、若狭守様のご意向により、入江を見渡せる高台で酒宴を催すことと相成りました。私の甥は、若狭守様の命を受けて、漁夫たちに、両手で抱えるほどの魚を捕るよう言い付けました。すると、一艘の舟が沖に出ることもなく引き返してきたかと思うと、見慣れぬなりをした男が正気を失しているのを拾ってきたと申すので御座います。  しかし、若狭守様はお驚きになることはなく、扇を掌で叩くと、正気が戻るまで看病しておくようにと、有り難いご恩情を下されました。  さて、それから三日が経ち、その男は眼を開きましたが、すると、奇妙な言葉を並べ立てるので御座います。これに唖然とした周囲の者達のうち、何人かは――殊更、私の甥は――凶兆を察し、鴎尻に佩いた太刀を鞘から抜きだし、男の首を目がけて大上段に構えました。するとそこへ、若侍が参りまして、其奴が申すところによると、男を御前へと引き連れてくるよう、若狭守様から仰せつかったとの事で御座います。  さて、いざ男を目の前にしますと、若狭守様は片膝を立てて、何者であるか白状するよう、お申し付けになりました。すると男は、こちらには分からぬ言葉を、相も変わらず並べ立てるので御座います。なにやら、「たいむ・すりぷをした」だの、「おれはみらいじんだ」だの、「とらくにひかれた」だの……私の甥は、首をかしげるしかなかったと申しておりました。  すると若狭守様は、一座を扇で指さしたかと思うと、「そなたは、この者どもにはできぬことができるのであろうな」とお訊ねになりました。それを聞いた男は、一度、おずおずと後ろを振り向きましたが、その顔は青ざめたままで、か細い声で「できませぬ」と申したとの事です。  それを聞いた私の甥が失望をしたのは言うまでもありません。いままでこの國へ現れた奇怪な者たちは、格別な力を持ち合わせておりましたから。それに、いくら若狭守様と雖も、なんの芸も力も無いとすれば、即刻、この男に打ち首をお言い渡しになられましても、おかしくは御座いません。  そこで、私の甥が恐る恐る若狭守様の方をお窺いしましたところ、なんと、爽やかな春の空のように、晴れ晴れとしたお顔をなされているので御座います。そして、扇をお開きになり、「よい、よい、そこいらに預けておけ」という有り難いお言葉を授けられました。それを聞いた男の安堵した顔ほど、醜く見えたものは無かったと、私の甥は申しておりました。  その男は名を「けんじ」と申しましたが、若狭守様は頻りに「けんじ」を近くにお召しになり、「みらいじん」の風俗について、お聞きになっていたとの事で御座います。次の間まで、若狭守様がお笑いになる声が響いてきた事も、度々だったと聞き及んでおります。  そういえば、ある時、若狭守様が、私の甥に京へ遣いに行くようお命じなさったことが御座いましたが、出立の前に、「何かおもしろき事があったならば、我にとおく致せ」と、お言いつけになりました。その「とおく」というのが「みらいご」であることは、申し上げるまでもありますまい。  しかし「けんじ」は、翌年、若狭守様の命により、一転、打ち首と相成りました。勿論それは、お上を罵る言葉を並べ立てたからであり、決して、「けんじ」を連れ戻しに来たという娘に、懸想なされたからでは御座いません。  その娘ですか?――その娘の事については、また今度お話し致しましょう。いや、娘はもう、奥方様のお一人で御座いますから、「ありす様」とお呼びしなければなりませぬ。ともかく、私はここで、お暇させて頂きましょう。

『高木わたると松田じゅんぺいの関係を知らない』

 語り手:ある日、なかなか高木が仕事に来ないことに捜査一課のメンバーは心配になります。 〈捜査一課〉 目暮:まだ、高木くんはみていないか? 千葉:はい。 白鳥:なにかの事件にまきこまれていないといいけど。 佐藤:よく事件に巻き込まれてしまうわ。 語り手:公安はある事件に捜査をしていますが、犯人がなかなか捕まられる難航しています。 その犯人の目的が松田じゅんぺいだということが判明しますが、松田じゅんぺいが亡くなる4日の喫茶店の防犯カメラで松田じゅんぺいに弟がいることが判明して、その松田じゅんぺいの弟が高木わたるだということが判明しました。 その翌日に高木が何者かに拉致される現場を千葉が目撃して、捜査捜査一課に伝えます。 〈捜査一課〉 千葉:高木さんが何者かに拉致されました。 目暮:はっ? 拉致されたと? 現役の刑事を拉致するとはね。 語り手:数分後に高木は無傷で自力で犯人を倒して、生還しました。 その後に風見から松田じゅんぺいと高木わたるの関係を知って驚きます。 〈捜査一課〉 目暮:話してくれますか? 風見:佐藤さんは驚くでしょうね。 俺らも知りませんでした。 松田じゅんぺいに実の弟がいることが判明しました。 千葉:えっ? 殉職した松田さんに弟がいたとはね。 まさかだけど。 白鳥:高木くんと松田くんが兄弟ですか? 風見:その通りです。 松田じゅんぺいはなくなる4日前に弟である高木わたるとご飯をたべているときに遺言を残していたことが判明しました。

したたる値

 数字と戦え。文字数は武器だ。過去の実績を乗り越えろ。  そんなことばかりの毎日を溶かすために、私はゆっくりと湯船に浸かる。  肩までしっかりお湯の中。六畳一間に許されたユニットバスは膝小僧が外に出たがっている。  この日常はあと少し。あと四十六時間もすれば休日がやってくる。  いつものトレッキングコースの麓。天然温泉。きっと私の顔も覚えられてしまっているのだろうな。  自宅からゆったり一時間をかけて、電車に遅れず乗って。その先に数キロのコース。  何周かできる体力があればよかったのだけれど、まだまだそれには遠い。  週八時間以上のデスクワークに、体力が必要だと誰が教えてくれただろう。  来年の私の目標に、あともう一押し数字がほしい。  はあと息を吐いて、少しだけ肩を沈める。一緒に顎まで漬かってしまう。  それでも、少しだけ、目をつぶれば真っ暗闇に全部が吸い込まれて消えていく。    その内側にある私の至福の時間は、もうすぐそこまで来ている。  目を開けて立ち上がる。  体を垂直に滑り落ちる水。飛沫を上げて飛び出して、冷える。  溶け出した数字が、またちょっとだけ顔を出す。  ところで、明日の目覚まし、ちゃんとセットしたっけな。

いとしの月

 月のうさぎの隠れ家はどこ。  光りの当たらないときにはどこに行くのだろう。どこで休んでいるのだろう。  ぴょんと跳ねて裏の裏。  いじらしい姿を想像してはぼくは夢の中できみに出会う。  少し陰る、きみのまぶしさに焼かれていたいと思っていた。  またぼくの前に戻ってきてくれるなら、今度はもう少しだけ近付いてくれるのだろうか。  光る星々をまとめて光るまんまるの彼に会いたいなあと手を伸ばす。  手の端から陰る。  自分を隠すような、おおきな、影。 「また、月と交信中?」  やさしい言葉に首を振る。 「ううん」  同じように、手を伸ばしてくれていた君が、今だけは雲の隙間から手を伸ばしてくれている。  光る粉雪の様な星を通り過ぎて、ぼくだけの元にやってきた。 「今日は、きっと手をつないでくれているね」 「そう」 「だって、きみが目の前にいる」  そうだねえと笑う君の瞳に、写る自分はまさしく求めたうさぎだった。

好感度レンズ

私がフラれるくらいなら好感度をこっちから見てあげて私が好きな人に好かれるように行動すれば解決なのではないか? 私のことが嫌いな人たちはマイナスを書いててもらってさ。 そしたら私は好きな人からしか好かれない素晴らしい環境を構築できるじゃん!   私ってもしかしたらちょー可愛いかも!?

人間ミュート

 嫌いな人間を見えなくしてしまおう。  それが、人間ミュートプロジェクト。    コンタクトレンズ型の機械を入れて、見たくない人間の写真を登録すれば、あら不思議。  見たくない人間が見えなくなるという仕組みだ。   「やー、快適快適!」    朝から、うっとおしい父親の顔も母親の顔も見なくて済んだ。  テーブルの上の朝食を平らげて、学校へと向かう。   「人間ミュート最高!……痛っ!?」    スキップをして登校していると、見えない何かとぶつかった。  幽霊だろうか。

I do work at Burger Village with dad to talk to really read about him

How do you go to Cubbie Burger but that will be the dead really dead Bluejay be dead or did you will be dead really dead that’s going to be there but definitely did educate because of the dead of the dead battery with a deadly weapon with a potential we did back in the video was able to teach back of the village and grab a good whatever date with everybody but everybody woke up a little devil devil bitch whether it was it was it had a cup of convertible to get to Burger Burger by David Guetta visit to Burger Burger they were dead will get to work a bit of a deeper ditch and you have a good availability will get rid of every little bit will be there to purple bit every day of the river did you work everything was out of a ditch and go OK brother OK but we do another day to reply with availability woke up with a tour of Odette and Kappa Kappa Delta cabinet Barbara David video visit and capable Deborah ditch broke up and we do it every day but it’s broken and ripped and the cabinet of a date for the den Edgewood Academy Bhad Bhabie dividend Vacaville be debited will be there to broken Bow Buddha Buddha Buddha edge of the deck to have a WWW dead River debt and you can record of a WW definitely Deborah Deborah bit of a digital “www. ritual ditch and grab a good visit with Deborah Deborah W Deborah Deborah read it and you keep a good day rate for a bit of a dead really protective of it to recover which we did have a cup of Cuba Deborah disability did whatever the date of your capabilities of a day to visit Jamaica bit of a deposit and you have a kiddo – a burger Riverdale Riverdale Riverdale with Deborah which we did and we have a cabin WWW visit with a potential vegetable dish and the capability to date would be good to make a bit of a Deborah Deborah ditch with a dick and you keep a convertible to Lynchburg about it with Deborah Deborah did you make it better with a package and the Cabo Cabo Deborah Deborah Deborah Deborah Deborah Deborah did it but it is done